結局フィルムカメラの良さってなんだろう

bonsai(ボ):さて、今日はピザさんがカメラの購入をするということで。

pizza(ピ):なんで!笑。

ボ:欲しくなるから。フィルムカメラが。

ピ:まぁ…既に欲しいし買うならこれだなって決めてるのまでありますね。

ボ:じゃあもうポチって解散ですね。

ピ:まだだよ!最近ボンサイさんがフィルムで沢山撮ってるので、徐々に高まっているのは事実ですけど。

ボ:まあでも、別にフィルムじゃないとダメってことは特にないと思うんです。なんならデジタルまじで綺麗だなって思ったりもします。

ピ:人類の進化の歴史ですからね。フィルム機持ってないですけど、デジタル便利だなって思いますもん。

ボ:じゃあなんでフィルムなの?意味あるの?必然性あるの?

ピ:それですね。

ボ:うるせぇ!!!!

ピ:撮りたいから撮るんだよ!!!www

ボ:そうなんですよ。

ピ:好きな写真家がフィルムで撮ってたり、RAW現像も結局フィルム風に寄せたりするので、憧れの部分はありますよね。

ボ:前提として、いい写真撮れればなんでもいいんです。でもなんとなく思い当たる理由みたいなのはあって。

ピ:聞きましょう。

ボ:今月頭からHMV record shop 渋谷で20日間くらい展示させてもらったじゃないですか。

ピ:いい展示でしたね。ポスター展にsuper maisonとして参加させてもろて。

ボ:レコード専門店なので当たり前なんですけど、山のようにレコードが売ってて。お値段もそれなりにする。で、音楽って気づいたら所有が難しくなったなと。
先日20年前に聴いてたバンドの1stアルバムが無性に聴きたくなって、でもSpotifyとかApple musicには無かったんですよね。レコードでもCDでもモノとして所有してる頃はいつでも聴けたのに。あれ、これどうしようもないなって思って。

ピ:あーなるほど。

ボ:その喪失感がすごかったんですよね。知らないうちにテクノロジーに記憶を奪われたような。

ピ:確かにデジタルで持ってる場合って、現物所有している物と比べて見返さないかも。

ボ:そう。で、そうなるとだんだんSDカードとかハードディスクとかに敵意が…

ピ:確かにそれは本当にそう。あいつら急に力尽きて全てを終わらせますからね 笑。

ボ:よくわからないまま所有の全てを委ねるのって、なんというか美味しいところを全部持って行かれているような気がして。つまり所有欲の化身なわけですよね、私が 笑。

ピ:所有は中毒になりますからね 笑。

ボ:僕らNFTもやってたわけですけど、そのロマンと実は少し近いのかもしれないです、フィルム。NFTって理論上はデジタル上に半永久的に記録できる技術じゃないですか。

ピ:ええ、刻みますからね。そうだ、ロマンだ。

ボ:そう、ロマン。その作品が世の中に半永久的に残されておくべきマスターピースかはさておき。

ピ:それは人それぞれ価値観が違いますから 笑。

ボ:だから今の所、フィルムじゃないと撮れない写真があるとか、あんまりそんな風には考えてなくて。写真をよりフィジカルな体験にしたいなと。基本はそのノリ。
あとはコストが本当にかかるので、1枚にかける緊張感の違いが写真に出てくるといいなとは思います。でもそれにしたって、質は量から担保される側面があるので、デジタルもどっちもやるのがいいかなって。

ピ:デジタルで撮る時はもう適当に片手で、みたいな時もありますけど、フィルムだったら高くて絶対できないだろうな…笑。

ボ:もちろん被写体によりますし、速さに特化したセッティングもできるんですけど、わりとじっくり1枚ずつ撮る派ですね。うんちくはこの辺にして、いくつか最近撮った写真を。

ピ:おおおおおお!めっちゃいい!!

ボ:中判のPORTRA400で撮ったものですね。完全にNEW COLORごっこなんですけど 笑。続いて35mmのPORTRA160で撮った写真です。

ピ:そもそもなんでこんなに廃車が集まっているのか 笑。

ボ:これ秩父の方なんですけど、実は最初に撮った時フィルムの装填ミスで撮れてなくて、悔しすぎて数日後にまたリベンジしました。

ピ:車とフィルムってなんか最高ですよね…スティーブン・ショア先生もそりゃ撮りますよ。

ボ:逆らえない何かがありますね。ちなみにこっちは前に近所で撮ったやつ。デジタルです。

ピ:ボンサイさん、近くにボロい車落ちすぎじゃないですか?笑。

ボ:なんか縁がありますね。

ピ:そんなにホイホイ転がってないですよ。

ボ:こいつは定期的に撮りにいってますね。今の時期はジャングルになってて撮れないですけど。
で、フィルムとデジタルで比べるとパッと見はそんなに変わらないというか。思ってるよりフィルムの方がデジタルっぽかったり、デジタルの方がフィルムを意識してエディットしすぎてたり。

ピ:なんか想像よりしっかり写るんですね、フィルムって。

ボ:拡大したらわかるんですけど、特に中盤はやばいですね。解像感という意味では。ただスマホとかで見る分には正直あんまり関係ない。

ピ:年代的に写ルンですのイメージが染み込んでしまっている。

ボ:あぁ、夜だとその感じちょっとは出るかもです。

ピ:あー確かに。ノイズの感じが。この方が運んでる荷物の量が気になりますけど。

ボ:あとは先日買ったカメラで最初にテスト撮影したのがこの辺。適当に撮ってるのでイマイチですけど、フィルムはKodak GOLD 200です。

ピ:あー、なんかGOLDは昭和を感じるトーンですね。

ボ:令和っぽくないですよね 笑。フィルムだからってあんまりノスタルジックなものを求めてるわけでもないので、高いけどPORTRAの方が良いなぁとは思います。

ピ:僕も好みとしてはPORTRAですね。GOLDも使い所はありそうですけど。

ボ:フィルムの違いで言うと、EKTAR100は結構こってり色が乗る印象はあります。

ピ:おお!こってり!嫌いじゃないこってり。

ボ:PORTRAはその名の通りPORTRAIT向けのフィルムなので、人を撮るのが合うかもしれません。

ピ:見たことあるおじさんだ!

ボ:先月の我々の展示風景ですね 笑。

ピ:いやー足の写真いいですね最高。

ボ:この足たまらんですよねぇ…。あ、ピザさんもこの足撮ってましたよね?

ピ:僕はモノクロにしちゃいましたがこれですね。指もあります。

ボ:これはいい手ですね。

ピ:今度フィルムでおじさん達をモデルに撮って欲しいですね。

ボ:需要の無さがいいですね。というかなんかもうアレですね、ここまで並べると、ほんと、大事なのは何で撮るかではなく何を撮るかだっていう言葉の証明をしてしまった感がある。

ピ:おじさんの足で答えを出すのもあれですけど、ほんとそうですね 笑。

ボ:画質とか色とかだけで言うなら、フィルムを選ぶ強い理由はあんまりないかもしれない。Fujiのフィルムシミュレーション優秀ですし。

ピ:それはそうかもしれませんね。

ボ:もちろん、細かい話で言うと違いはあるんです。大きいサイズで見た時のボケや粒子感とか。でもそれは人に見せるって観点ではそこまで重要ではない気がしてて。どちらかというと撮る側の態度とか作法とか。フィルムカメラを使うならそっちかなと思います。写真を撮るという体験の部分。

ピ:でもそうですよね、わざわざコストかけてるのもあるし。ただ撮りたいだけならデジタルで十分。

ボ:レコードじゃなくても音楽聴けるじゃん?って。

ピ:それでも実際レコードで聴きたい人もいるわけで。

ボ:そうそう、あれも体験なんでしょうね。もちろんアナログならではの音質、みたいな細かい差分は絶対にあると思うんですけど。それはフィルムも同じで、でもそれってニッチな人にしか伝わらない部分で。

ピ:ニッチな部分って、多くの人にはまあ「ふ〜ん」って感じですもんね。なんとなくフィルムとの付き合い方がわかってきた。

ボ:おめでとうございます。じゃあその上で何買うのかって話ですよね?

ピ:www。諦めてなかった。

ボ:わかった風なこと言ってますけど、私も入り口にいるだけのルーキーですから。

ピ:ボンサイさんはね、すぐ肩まで浸かりますよ。顔だけ出して僕の方めっちゃ見てくるんです。おいでって 笑。

ボ:妖怪じゃないですかw。

ピ:ちょっと話戻るんですけど、以前たまに使ってたKodakのフィルムカメラあるじゃないですか。あれって今日見たものとはまた全然違う感じで、あのオールドスクール感もすごい好きなんですよ。

ボ:あぁ、EKTAR H35Nですね。あれは結構イマジナリーフィルムって感じしますね。確かに。

ピ:あれから楽しむのもアリだなってめちゃ思います。また遊園地とバッチリ合ってる。

ボ:温泉街の外れにある謎施設とか。

ピ:デパートの屋上とかも。
なんか渋谷の写真もそうですが、GOLD200は昭和フィルムなのかな 笑。

ボ:フィルムってISOだけじゃなくてホワイトバランスも固定なんですよね。KODAKなら5500-5600Kあたりだったかな。GOLDが黄色くなるのは多分5600Kに近いホワイトバランスなんだろうなぁと。

ピ:なるほど!ホワイトバランスか。

ボ:もしかしたらホワイトバランス固定による想定外の色の転び方が、一般にフィルムっぽいとイメージされてるところなのかもしれないですね。
ちなみにPORTRA400は私の自宅スキャナーに通すとちょっと青かったりマゼンダが強い印象があって、スキャンの段階で少し調整を入れたりしてます。

ピ:ISOだけはなくてホワイトバランスも固定ってなると、ほんと色々縛りプレイですね。

ボ:結局デジタルかフィルムの二択ではなく、カメラ毎にいろんな縛りがあって、それによって促される撮り方の選択なのかもしれませんね。撮りたい写真にあった撮り方を選べるようにしておくというか。ピザさんにはぜひRollei 35のピント合わせが目測という縛りをゲットしてもろて…

ピ:もうね、フィルム買うならNikon FM2と決めてます。ただちょっとMAMIYAが邪魔をしてくる…

ボ:ここにきてMAMIYA!wwwww

ピ:まあでも、やっぱり最初に決めてたFM2かなぁ…レンズも決まってるし。

ボ:ありがとうございます!

ピ:いやまだ買いませんって 笑。

ボ:チッ…これは持ち越しですね。とりあえずEKTAR H35Nを送りつけておきます。

ピ:やめて!笑。